【令和時代】テレワーク時の部下育成に必要なマインドセットと手法

テレワークの普及により、上司と部下がオフィスで顔を合わせる機会が大きく減ってしまいました。

このように働いてる様子が見えないという慣れない環境の中で、試行錯誤しながら部下の育成や指導をしている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はテレワーク時の部下の育成が難しい理由を解説しつつ、育成に必要なマインドセットと手法について解説していきます。

テレワークでの部下育成が難しい理由

コロナ禍で、テレワークでの部下育成を余儀なくされた方も多いでしょう。

まずは、テレワーク時の部下育成が難しい理由について解説していきます。

仕事のプロセスが見えにくい

テレワークにおいては部下が目の前にいないため、仕事に取り組む姿勢や、成果を出すための仕掛けなど、プロセスが見えにくいという問題があります。

そのため、成果が出ていない部下の問題点を把握し、そこに対する改善を促すというマネジメントがとても難しくなります。

コミュニケーション不足により信頼関係が希薄になる

厚生労働省が発表した「テレワークを巡る現状について」によると、テレワークのデメリットとして45%以上の方が「社内コミュニケーションが減った」と回答しています。

テレワークでは、会話の度にビデオ通話や電話などをすると作業効率が低下してしまうため、コミュニケーション頻度がどうしても少なくなります。

それにより、業務に関わる報告や連絡などのやり取りだけになりやすく、部下を褒めたり、間違いを正したりする育成のためのコミュニケーションが失われてしまいます。

さらに、部下が上司や先輩に細かい疑問点を質問しにくくなり、問題点を放置することが多くなってしまうため、育成にとってはマイナスに働くといえます。

スキルやノウハウの実践指導が難しい

令和元年に厚生労働省が企業向けに行なった「能力開発基本調査」によると「計画的なOJTを正社員に実施した事業所」が64.5%あったとしています。

一般的に、OJT研修は部下にビジネスのスキルやノウハウを身につけさせるため、取引先へ指導員である先輩社員を同行させたり、日々の業務を上司自ら行動を共にしたりしながら実践指導を行います。

しかし、テレワークにおいて、部下が上司や先輩と同行したり、行動を共にするという機会が失われてしまいました。

このように、OJT研修などで実践指導が難しいこともテレワークでの育成が難しい理由の一つです。

テレワークで部下を育成するために必要なマインドセット

テレワークでの育成を成功させるためには、従来の育成のマインドセットを変化させ、バージョンアップさせることが必要です。

しかしテレワーク時も育成の本質は変わらないため、「変わらず必要なマインドセット」と「変えるべき必須マインドセット」があります。

まずはテレワーク時の部下育成について必要なマインドセットを解説します。

信頼関係を構築するためのコミュニケーションをはかる

部下を育成する上で重要なのは明確な「上下関係」ではなく「信頼関係」です。

「褒める」「叱る」などの言葉も、信頼関係の有無で部下の受け止め方は変わります。

コミュニケーションをとることを目的とするのではなく、コミュニケーションを通じて信頼関係を構築することを目標にしましょう。

またこのコミュニケーションは上司が率先して部下へ配慮することが必要です。

サイボウズ株式会社が調査した「テレワークのコミュニケーション」調査によると、「業務で関りのある職場の人」との関係性について6割以上が「何をしているかが分かりにくくなった」「話さない人が増えた」と感じていることも明らかになっています。

「距離を感じるようになった」と4割近くの人が回答しているため、コミュニケーションは希薄になりやすいといえるでしょう。

出典:PR TIMES

また下記の図表は「自分がどう映っているか不安」というアンケートに対する回答結果です。

出典:PR TIMES

20代~30代のいわゆる若手世代の5割近くが不安だと回答しています。

特に業務以外でのコミュニケーションは取りずらいと感じていることが想像できるのではないでしょうか。

一概にすべての社員がそうだとは言い切れませんが、上司から部下への適切なコミュニケーションが大切な役割だということは確かです。

テレワークにおけるコミュニケーション課題については下記の記事でも詳しく解説しています。

仕事に裁量をあたえる

部下の成長に応じて、仕事に裁量をあたえていくことはとても重要です。

裁量がない仕事をし続けると、部下は上司の指示でしか動けなくなってしまい、やりがいや仕事の達成感を感じられなくなってしまいます。

逆に仕事に裁量をあたえられた部下は、自発性が養われ、考え、判断するようになり、自ら学び成長していくようになります。

目標を管理する

成長の速度とモチベーションは大きく関係しています。

つまり、部下の育成を成功させるためにはモチベーションを高めるマネジメントが重要です。

社員一人ひとりが自らの業務目標を設定し、上司はそれを適切に管理することで、社員は上司から与えられた目標だけではなく自ら設定した目標の達成を目指し、モチベーションの向上が期待できます。

目標の管理方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

テレワークで部下を育成するために変えるべき必須マインドセット

環境が変化すれば、それに応じて変化させるべき事柄が当然あります。

マインドセットもテレワーク時での働き方に合わせて、下記のように変化させることが必要です。

監視するのではなく、見守るという意識

仕事場所が離れてしまうと、上司は部下を監視しようとしてしまいがちです。

監視されていると察した部下は、上司に信頼されていないことを理解し、チームとしての一体感を失くすきっかけになりかねません。

そもそも、監視下でしか働かない部下がいるとすれば、それはテレワークのせいではなく、別の問題が存在すると理解すべきです。

見えないからこそ、「今、何をしている?」などの監視目的のメールや電話はせずに、部下を見守るという姿勢が大切です。

存在を承認し、ヒアリングとフィードバックを心掛ける


テレワーク下では、プロセスが見えないため、成果のみで判断することが多くなります。

そうなると、どうしても成果が出ていない部下を中心に指導をすることが多くなり、成果がでている部下を放置しがちになります。

ですが、成果が出ている部下でも、放置していると孤独感につながり、ひいてはモチベーションの低下を招きかねません。

成果が出ている場合も、成果がでたプロセスをヒアリングしたり、賞賛するメールや電話をするなど、その存在を承認するという気持ちが大切です。

また成果が出ていない人にも指導をする前に丁寧なヒアリングをすることが大切です。

表面上の成果だけでなく、何を考えてどのように仕事を進めてきたのかをヒアリングすることで、成果を出していない人にもポジティブなフィードバックを与えることができるかもしれません。

プロセスが見えないために成果ばかりが目に入りやすくなる環境だからこそ、上司が丁寧なヒアリングをして部下を適切に承認する必要があります。

指示はより簡潔で明確に行う

部下の目線からすると、細かい指示やアドバイスを受けた場合、曖昧な部分があっても、その場ですぐに確認したり、相手の表情や態度から読み取るということが可能です。

しかし、テレワーク下ではそれは難しく、「指示は完璧には伝わらないもの」という考えを持つことが重要です。

具体的にはどのような点に気を付ければいいのでしょうか。

目標やKPIを共有する

目標やKPIを共有することで、任せられた業務のクオリティを合わせることができます。

上司と部下の目線合わせにもなるので、上司が求めるレベルの業務を部下は遂行しようと努力をしてくれます。

結果的には部下の承認機会創出にも一役買ってくれるはずです。

こちらについても先述した目標管理に関する記事も参考にしてみてください。

「目的」「期限」「進め方」を指示する

単純に「これやっておいて」というだけの指示は、テレワークでは特に避けた方がいいでしょう。

対面であれば部下が疑問を持った時に都度確認をすることができ、上司も部下の進捗を都度見て確認することができます。

しかしテレワークではなかなかコミュニケーションが取りずらいのが現状です。

分からなければ部下から聞いてくるべき、という受け身の姿勢ではなく、まずは指示を与えるときに明確に内容を伝えることが重要です。

指示語を使わない

対面での指示の場合は、指示語を使ってもその時のニュアンスや物を指す態度から内容を読み取ることが可能です。

しかしテレワークでは言外で読み取ることはできません。

齟齬が起きないように、上司が的確に明確な指示を出しましょう。

状況に応じて伝達手段を変える


文章で記しておいた方がいい案件もあれば、文章だと伝えずらい案件もあります。

案件の内容の応じて、チャットツール・メール・電話などから効果的な手段を選択しましょう。

概要を文章で送り、補助的なことを電話など口頭で伝えてもいいかもしれません。

またスクリーンショットなどの画像や動画を利用するのも一つの手段です。

テレワーク時に有効な育成手法

では、テレワーク時にはどのような育成をすべきなのでしょうか。

ここでは、テレワーク時に有効な育成手法についてご紹介します。

eラーニングシステムの活用

テレワーク時の育成によく活用されるのがeラーニングです。

パソコンとネットワークさえあれば、いつでもどこでも学習できるのが大きなメリットです。

kennethresearchは下記のように調査結果を発表しています。

アメリカの研究所によると、eラーニングは、保持率が8〜10%と低い対面式のトレーニングと比較して、トレーニングの保持率を25〜60%高めます。世界中のさまざまな組織間で企業Eラーニングの採用を増やすことは、市場の成長を促進する主な要因です。

ただし、eラーニングだけの育成は、インプットのみの一方通行の育成になってしまうことが懸念点です。

別で質疑応答の場所を設けたり、感想などを発表したり、アウトプットの場所を別で用意するようにしましょう。

朝礼や夕礼など、オンライン会議でコミュニケーションをはかる

テレワーク時においては、朝礼や夕礼など、決まった時間にオンライン会議を開催することはとても重要です。

たとえば、その日の成果や成果につながりそうなプロセスを話して、アドバイスをし合ったり、テレワーク時の業務の難しさや工夫を共有したりするといいでしょう。

先に述べたチャットだけではカバーしきれない部分を夕礼で確認することもできるため、育成においてはとても重要な時間だといえます。

朝礼や夕礼でコミュニケーションをはかることで、育成だけでなく、チームの一体感を生み出すことにもつながります。

ちょっとしたアイデア発信や質問の場にチャットツールを活用する

総務省が発表している「通信情報白書」によると、「ビジネスICTツールが導入され、利用されていることが、社内コミュニケーション活性化との関係 がある可能性がある」とされており、コミュニケーションの活性化にコミュニケーションツールは有効です。

その中でも、チャットツールの導入がオススメです。

チャットツールを利用することで、わざわざ電話やメールして相談するほどではない質問や、ちょっとしたアイデアなど、日々の業務の中での疑問や発信したいことに関して気軽に会話できます。

LINEでグループを作っても良いのですが、公私混同を防ぐためにも「Slack」や「Chatwork」などのビジネスチャットツールがオススメです。

アプリをインストールするだけで無料で利用でき、LINEのように直観的な操作で誰でも利用できます。

チャットグループを作成したら、上司が率先してスタンプや雑談を投稿し、部下が質問や発言しやすいようなチャット空間をつくるように心がけましょう。

チャットツールは部下に対して指示を出す手段としても有効で、スクリーンショットや動画を活用することで、より明確で簡潔な指示を行うことができます。

定期的に1on1を実施する


テレワークでは日々の業務にかかわるコミュニケーションが中心となり、対面での業務の時のように都度フィードバックやアドバイスを与えることが難しい環境です。

だからこそ定期的に1on1の時間をとることが重要です。

対面での1on1が難しければ、オンラインでのビデオ通話などのツールを利用しても効果的です。

日々の業務での疑問点を解消したりフィードバックを与えるだけでなく、部下がテレワークでの業務についてどのように感じているのかをヒアリングすることで、今後の業務や指示の出し方に活かせるはずです。

まとめ


我々の業務に大きな変化をあたえたテレワークの普及。

働き方が大きく変化する中で、育成の手法や考え方も時代に合わせてバージョンアップさせていく必要があります。

そのために、本記事で解説した育成に関するマインドセットや、テレワーク時に有効なツールや手法を活用しつつ、時代の変化に対応できる人材を育成していくことが重要です。

この記事はさんが執筆しました

【令和時代】テレワーク時の部下育成に必要なマインドセット...

関連記事