BtoCではECサイトで商品を購入することは当たり前になりましたが、BtoB業界においては必ずしも浸透しているとは言えない状態であったりします。とはいえ、トラスコ社のオレンジブック、MONOTARO社のモノタロウ、ミスミ社のMISUMI-VONA、またAmazonやアスクルも同業界に進出しています。
そういった競争環境から大手商社も自社ECサイトを始める企業が見受けられるようになってきました。
始めるまでに苦労したのは束の間、始めてからも思ったより苦労されることが多いと思います。その中のひとつとして、商品登録を自社で行っている企業様に向けた商品登録をアウトソーシングするメリットをご紹介します。
ECサイトにおける商品登録に求められること
そもそも商品情報とは
商品情報と一口に言いますが、これを分解すると基礎情報と応用情報に分類することができます。
・基礎情報:ほしい商品を特定するための情報や流通に必要な情報
Ex 正式商品名、型番、商品コード、JANコード、価格、単位、梱包サイズ、重さ など
・応用情報:商品を絞り込む、選びきるために必要な情報
Ex 代表画像、サブ画像、使い方動画、スペック情報、素材、生産国 など
情報はあればある分だけECサイトに出そうと考えがちですが、2つの理由から検討が必要です。
①メーカーやカテゴリによって情報にバラツキがあるのはユーザビリティが良くない
②公開している情報は、メンテナンス工数が発生する
この②を十分に考慮しないとECサイトが始まってから、商品情報のメンテナンスが追い付かないなんてことになってしまうのです。
運用工程における盲点
BtoBの場合、BtoCとは異なり商品の購買を決める要因は異なります。リピート購入自体も多いですし、条件や仕様をクリアしていればメーカーやブランドにはこだわらないといったこともあります。また企業戦略として、安くなっている商品を大量に買い付けてさらに安く購入するなんてことも当然です。
なので商品を探す際に、商品名や型番、商品コード、JANコードをコピペしてサイト内検索をすることがあります。つまり、あれこれとECサイト内でショッピングを購入することはしないのです。
つまり、基礎情報と応用情報には優先度があり、応用情報よりも基礎情報の方が優先度が高くなるのです。しかしECサイトに公開している以上、変更の有った情報はいくら優先順位が低くても更新しないとまずいわけです。
下表のように運用時の更新ボリュームを想定せずに始めてしまうと、ベター作業に時間を取られて本来やるべき業務出来なくなってしまう可能性があるのです。
項目 | 情報の種類 | 注文における項目タイプ |
商品名 | 基礎情報 | マスト |
商品コード | 同上 | マスト |
定価 | 同上 | マスト |
卸単価 | 同上 | マスト |
代表画像 | 応用情報 | ベター |
動画 | 同上 | ベター |
スペック | 同上 | ベター |
特長文 | 同上 | ベター |
注記 | 同上 | ベター |
立ち上げの際に頑張って手に入れることができたからと言って、運用もそうであるとは言えません。
そうでないと重要な情報でもないのに更新の工数がかかってしまい、本来の作業目標を達成できなくなってしまう可能性があります。
卸価格は企業戦略によって、日々変更があるものです。それはデイリーで更新しなければならないのに、優先順位の低いものによってそれが達成できないなんてことにならないように、どの情報を公開するのかを考えて決めなければならないのです。
自社社員が更新作業に追われることは本来の狙いに沿っているのか
BtoB業界ではECサイトの売上が大きくないにも関わらず、始めるには理由があります。
そのひとつとして、小口顧客をWeb注文に誘導し、営業マンの時間を大口顧客に集中するための営業戦略ということがあります。
営業の人件費をより効率的に使うには、小口顧客の売上を上げるよりも、大口顧客の売上を上げる方が効率が良いからです。とはいえ小口顧客の対応をしないこともできないので、ユーザー自身がWebサイトで商品を選定・購入する「セルフ化」の流れが進んでいるのです。
とはいえ、まだまだ売上自体はすぐには大きくならないので、商品情報の更新作業を自社内で実施するケースが思いのほか多くあります。内製化することでキャッシュアウトが発生しないからです。
しかしECサイトを稼働する本来の目的は何でしょうか。
商品情報の更新作業は内製でもできますが、アウトソーシングでもできるのです。さらに言うとアウトソーシングはルール化して大量にやることが得意なので数週間後、数か月後には内製よりも上手にできている可能性があるのです。
当社の運用支援業務では、月に2万件以上の商品情報の更新作業も受託していますので、ご興味があればお問い合わせください。